2024年9月22日

定数1としての映画

アートにおける「映像」にはコンテンツとしての映像を継起的に発展させる野心も感じなければ物質的側面から省察するといったものも見かけることはない。多くの作品がインスタレーションとして発表されていることからも、それは映像を見る環境を含めた社会的空間に関心がもたれているのだと思う。ゆえに、その「映像」はさまざまな意味を産みだす変数であり、その存在が「空間」に影響を与える。一方「映画」の上映空間はおおよそ「映画館」として規格化されているので「空間」に付与する新しい意味はない。映画の映像は世界に連関する変数ではなく定数1なのだ。その形式性が「映画」というメディアを単一の映像における内在的思考たらしめるのである。