2025年11月18日

QUAD FILMS: New Works Screening のお知らせ

New Works Screeningのフライヤー

【日時と場所と料金】

2026年1月17日(土)15時30分~18時30分 東京・新橋TCC試写室

*原則、予約制です。受付は上映開始15分前から。料金:2,500円。アクセス情報は こちら

【プログラム】

1. コカコーラ・ソルジャー

モスクワカヌの短編戯曲「コカコーラ・ソルジャー」を映像化。若き二人の兵士が異国の地で暴虐の限りを尽くすという〈悪夢〉のお話です。ただし、戯曲を上演するのでも、青年兵士を登場させることもしません。この物語が〈夢〉の表象ならば、俳優の実存を基礎にした劇空間とは異なるはずだし、物語のキャラクターを通して世界を知るという映画や演劇のセオリーを再考するのに良い機会と思ったのです。その結果、この不穏で奇妙で残酷な〈悪夢〉に独自の魅力が生まれたなら、伝統的な“映画の構文”を少しはアップデートできたのかもしれません。

出演:河原舞 音楽:Rio 上映時間:22分

2. 神の威を借る ―神威少女パンク。「なんか変なダンス」の稽古―

気鋭の劇団、神威少女パンク。による「なんか変なダンス」(2025年)の稽古に密着したドキュメンタリー。噛み合わないセリフの応酬、虚実の混濁、意識のすれ違いや言葉遊びが舞台を活性化、謎めいた物語空間(劇中「名もなき地」と呼ばれている)を作り上げます。サブカルチャーへの目配せも多く、シリアスな〈不条理劇〉と爆笑〈コント〉を混ぜ合わせたような作風なのですが、その全体像を辿りつつどのように演出されているかにも焦点を当てました。なので、舞台の上演を知ってる人も知らない人にも愉しんでいただけるかと思います。

出演:政木コヲタ、高木郁佳、神藤さやか、倉垣まどか、名嶋あゆみ、森菜摘、若葉琴音、大津澄怜、若林辰也、市川敬太 上映時間:140分

【予約&お問合わせ】

直接ご連絡ください。ツイッター(現X)のDMや「シネマトグラフの閾」のメッセージ機能(Desktop Only)でもかまいません。他の連絡手段はフライヤーに記載しています。[伊藤克則]

2025年8月18日

兎亭の使い心地

2025年8月9日、江古田の兎亭にて

こちらは先日の「東京亜熱帯2025」の写真です。自主映画の上映環境に関しては、今までいろいろ手探りをしてきました。映画館がベストなのは当然ですが、商業映画の上映館を借りるにはそれなりの予算が必要なので、もっとリスクの小さな日常的な上映環境がないか?ということです。

それこそ、都心の小さなレンタルルームから試しました。他には、区民館の音楽練習室、インディペンデント系のミニシアター、固定スクリーンのあるライブハウス、業務用の試写室などでも上映しました。どこも一長一短ですが「映写」に限定するなら、やはり映画専用の試写室が頭抜けています。

ただ、もっと気軽な「イベント」として開催し、ミクスメディア的な「遊び場」にできるかなと期待していたのが、江古田の「兎亭」でした。初めて使った感想としては、ほぼ期待通り、ですかね。写真に映っている映写機はQUAD FILMS所有のもので、Anker製4K対応のレーザープロジェクター。自前の映写機があると、事前に画質を調整をしてから会場に持ち込めるので最高です。スクリーンはピン留めみたいにして吊り下げるのでフレームが直線にならないのは残念ですが、映写の時は暗くなるので気になりません。それより、壁の全面に近い面積を使えるので存在感のある上映ができます(サイズは120インチ)。音響に関しては、もう少し反響が抑えられないかな、とは思いました。でも、兎亭は住宅街の地下にあるので、外部から交通音の侵入などがなくて静かです。

イベント会場としての使い勝手は兎亭のウェブサイトを見てもらったほうが詳しいと思います。そこに俺なりの注釈を付けるなら、とにかく利用料が安いので、望めばゆったり時間がとれます。リハーサルや試写チェックでバタバタ焦らなくて良いのは超ありがたい。たとえ集客が悪くても、良い感じにアットホームな雰囲気になってくれるのも助かります。あと、もちろん、値段が理由で来るのを躊躇するような入場料設定にしなくて良いのは素晴らしい。

と、まぁ細々と上映会の舞台裏を書いてきたのは、今後もしここで上映してみたい人がいたらいっしょにやりませんか?ということです。ウチのコンテンツは映画ですが、共催ならジャンルにこだわりませんし、俺がここへ客として行った、俳優の杏奈さんの団体pocoは、演劇の上演と同時に写真作品の展示をやってました。使い方はいろいろありそうなので、工夫して楽しく遊べれば良いなぁと。なんかやりましょう!

2025年8月11日

「nest」について

先日の「東京亜熱帯2025」で上映した「nest」という映画は、2006年の作品です。俺が初めて本格的に(といっても、主演の役者さんと俺の2人を中心にゲスト出演者数名という編成で)撮った自主映画でした。俺自身もまったく見直してなかった。なので、作った記憶はあるのに他人の映画を見ているような感覚もあり、それで衒いもなく「この映画良いじゃん!」と口走ったり…(笑)

文学的イメージ(フランスの詩人ネルヴァルの本に載っていた民謡の一つを引用しました)を中核に、映像自体は自然主義的なアプローチで撮影したので、時々、なんかホン・サンスの映画みたいだな…て思いました(でも、製作当時はまだホン・サンスの映画は1本も見ていなかったです)。音楽は、二本木かおりさんに作ってもらったキュートなテーマ曲の音声素材をバラバラにしてシーンの各所に配置。全体を通して、オフビートなリズムがアクセントになってるし、ユーモラスな味わいもあって、サウンドトラックもなかなか良い。

ところで、この「nest」にコスプレイヤーの集まる広場での長回しカットがあるんですが、そこで目につくのがNARUTOのキャラだったりするのも、2025年のいま見るとおもしろいです。そういう「生きた記録」であって欲しいとは考えていました。撮影自体は2005年夏なので、もう20年前、つまり、この映像の中に20年前の東京の日常の空気が生きたまま保存されている。それはたぶん、当時の「商業映画」を見返すよりもずっと自然に感じられるはずだと思うんですね。

先に「自然主義」と言ったのはそういう意味です。見終わって「撮って良かったな」と思いました。こんな作品、絶対自主映画じゃなきゃできないというか、たとえ自主映画でも、カメラ周りにスタッフが2、3人いるだけで場の空気が一変してしまうはずなので。ミニマムな映画撮影、派手さはなくとも地味に良いと思うんですよねぇ。“親密な”というより、どこまでも“無垢な”空気の漂う「お散歩映画」でした。

2025年7月28日

「東京亜熱帯2025」開催!


QUAD FILMS PRIVATE THEATER
東京亜熱帯2025
2025年8月9日(土)18~21時 江古田・兎亭
EVENT INFO:原則予約制ですが、当日でも入れると思いますのでお問い合わせを。開場は30分前。
GUEST ARTIST:Caorioさん。
ENTRY FEE:¥1,000です。
CONTACT:X等のDMや「シネマトグラフの閾」のMessageでも。あるいは、お急ぎなら携帯(上記画像参照)でも良いですし、伊藤までご連絡ください。
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2年ぶりに、真夏の、上映会を、やります!
今回は旧作・近作の映画上映、アコースティックユニットCaorioをお迎えしてのミニミニライブなど、バラエティ豊かなプログラムをカジュアルに…
ちなみに、QUAD FILMSの作品は“スクリーンで見るもの”として作っているので、原則ネット配信はしません。この機会にぜひ!
また、直接お会いできる機会でもありますから、ざっくばらんにお喋りなどできたらと思っております。兎亭は居心地の良いカフェですし、飲み物や軽食とともに、ごゆるりと過ごしていただけたら幸いです。
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会場へのアクセスは…
こちらのリンクは、兎亭のウェブサイトです。

2025年7月26日

カウンターバランスの調整機能

Sachtler Ace XL Mk II+Leofoto Manba 323C

今年の冬に小型の三脚を新調し、その後の撮影を踏まえて、この夏、中型の三脚も新調しました。なぜかというのを、ちょっと説明させてください。

まず、三脚の雲台には「カウンターバランス」という機構が搭載されています。カメラの重さをバネで支えるような仕掛けですね。だから、カメラの重さに応じた緻密なカメラワークを行うには、このバネの強さの調整が必要となります。しかし、カウンターバランスの調整ができる製品というのは限られており、機能が複雑なぶん機構も大きくなる。それを小型の雲台で実現するのは難しいので、たいてい小型三脚のカウンターバランスは固定されています。そこで新たに高機能な中型三脚を導入しようということになりました。

三脚の雲台はSachtlerという有名ブランドのもの。脚部はLeofotoという中国の新興企業が製造したもの。両方同じメーカーのセットにしたほうが安心だし、値段も抑えられるのですが、ローポジションの撮影もこなせるようにしかったので別々に購入しました。ビデオカメラの三脚というのは報道や放送の用途が多いのでハイポジションが重視され、ローポジションに対応していることは少ない。一方、スチールカメラの三脚は物撮りなんかもしますから、わりとローポジションの使えるものが多い。Leofotoは元々写真機材のメーカーだったそう…

ただ、Sachtlerに比べれば格段にマイナーなLeofotoの三脚、実物に触れないまま注文してしまったものの品質は悪くないかな。特に、開脚機構の箇所が頑丈そうなので良かったです。

2025年7月6日

ヘッドフォン沼を避けるには…

SONY MDR-M1ST
最近、新作の映像編集を頑張ってるので、自分に褒美をやろう!と新しいヘッドフォンを買った。

去年、Ashidaのヘッドフォンを買ったのだが、何度か聴いているうちにリスニング用の「味付け」が妙に邪魔になってきて、結局、昔から使っているモニター用のMDR-7506に戻ってしまった。とはいえ、自分の7506は古くてボロボロだし、新しい、できればワンランク上のヘッドフォンが欲しいと思っていたところだった。

Ashidaのヘッドフォンも悪い製品じゃないし評判の良い理由もわかるが、たぶん、自分はモニター系の音のほうが好みなのだろう。むろん、10万円を超えるような高級ヘッドフォンのことはわからないけれど、手頃に買えるリスニング用だと、あれも試したいこれも試したいとヘッドフォン沼に足を突っ込むのが目に見える。

そこで、聴き慣れたメーカー製のモニターヘッドフォンに白羽の矢を立てた。MDR-M1STは、MDR-7506と比べて音がガラッと変わるわけではない。それでも、音響全体がきめ細やかになり、低音の量感が増したと思う。俺にとっては、モニターでもリスニングでも行ける機種だと感じられた。

世の人気のヘッドフォンには、音場の広い「スピーカーで聴くような」機種もある(M1STの音場は広くない)。ただ(スピーカーを鳴らせない)夜に音楽を聴きたい時って、音楽の世界に没入したいと思っていることが多いんだよね。そうすると、個々の楽器が空間の何処で鳴ってるかなんてことを意識させるよりも、それらを適度に統合した、音楽の“中核”に触れるような鳴り方のほうが好ましい。

まぁそんな感じで、このMDR-M1STとは長くつきあいたいとは思っている。

2025年4月29日

還の椅子

Ergohuman Enjoy2 High Type
誠に私事ではありますが、今年は俺、還暦(!)を迎える年でして、さすがにいろいろヤベーなと感じるものの、でもまぁよく生き延びたという意味では記念しても良かろうということで、今後の映像編集作業をサポートするオフィスチェアを購入。映像編集って、机の前で時間が溶けますからね…ヘッドレストがあってリクライニング可能な椅子は新しい武器になるはず。今、企画2本の撮影がほぼ終わり編集の季節に突入してるので、マジに欲しかった!